06.カナリア
この曲は【VERSUS】収録曲の中で、最も衝動的な曲と言える。
このアルバムに収録する曲を選曲していく中で、
ひとつのテーマとして、「今までの臼井嗣人に無い色」を加えたいと考えていた。
所謂「アコースティックギターを持って歌うシンガーソングライターのCD」
という枠(あくまで自分の中でのイメージだが、、)から脱したかった。
そんな想いから、アコースティックギターをエレキギターに持ち替えて
スタジオで無心にギターを掻き鳴らしながら生まれたのがこの曲だ。
アルバムの中でも異質なこの曲が生まれ、それを収録したいと思えた大きな要因は
ギターを掻き鳴らしメロディーが降ってきたその時、頭の中には井手上誠のギター、
木田佳文のベース、真野たかしのドラムが確かに鳴っていたから。
そこに確信が持てたから。
結果的に、自分の中でも新たな自分を見つけられた作品になった。
歌詞の内容も、サウンドに負けないような強い言葉を並べたかった。
その結果、自分への戒めの部分も見え隠れするようなものになった。
この曲はアコースティックギター弾き語りでの再現がなかなか難しいので、
バンド編成の時のみ演奏している。
そういった意味でも特別な曲だ。
こういう曲を今後もっと作っていきたいとも思っている。
【カナリア】
カナリア 光になにを観る
夜明け前の彼方
寂しがり屋 臆病に羽根を震わせ
遠く広がっている空を眺めて
風を切り飛ぶイメージ
おいしい話にばかり心は揺れて
手軽に揃うものはどれも試した
床に転がった夢の地図
カナリア 光になにを観る
壊れかけた夢を抱いて
カナリア 光はどこにある
夜明け前の彼方
がんじがらめの羽根はいずれくたびれて
誰にも知られぬまま呼吸をすれば
心に息づく汚れなきBLUES
カナリア 独りよがりでいい
問われ続けた情熱
乾いた瞳でなにを観る
描いた夢の中
空を遠ざけた鳥籠は始めからいつだって開いていたのに
カナリア 自由に飛び回れ
壊れかけた夢を抱いて
カナリア 光はそこにある
抱きしめて離すな