本末転倒

2016/01/07

さて、作業を始めますか。と思い、
BGMに一昨日購入したばかりのR.cityのアルバムWhat Dreams Are Made Ofを流し始めたは良いものの。
良すぎて聴き入ってしまい、全く作業が手につかない、、、、
マルーン5のフロントマン、アダム・レヴィーンが参加している曲が入っているとの触れ込みに誘われ購入したものの、アルバム通して臼井にどストライクです。
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未だに現物主義なのでCDや本を買うのを辞められない為
CDを収納する場所が、、、、、
壁一面に備え付けのCDラックと本棚欲しい。。。

2016年書き初め

2016/01/05

あけましておめでとうございます。
2016年になり早5日、なんだかあっという間。
このまま気づいたら「もう年末」なんてことにならないよう
アグレッシブに動いていきたいと思っているしだい。

そんな臼井は先日、新年のご挨拶に、歌の師であるMISUMIさんのお宅にお邪魔してまいりました。
バージョン 2

以前お世話になっていた事務所で臼井のマネージャーをしてくれていたナツミちゃんも子供を連れて再会♪
プライベートのことや、音楽の話しで盛り上がり、とても楽しい時間を過ごし今年も良いスタートを飾りました。
MISUMIさんには臼井が19歳の時からお世話になっているので、あんなことやこんなこと全ての歴史を把握されているので、頭が上がりません(笑)
人としてもボーカリストとしてもいつも影響を受けています。
ナツミちゃんにも事務所時代散々迷惑をかけたので頭が上がりません。。。。
頭が上がらん人ばかりだ(笑)
頭が上がらなくてもこうしていつまでも繋がっていられる関係が
幸せだ。

さて、今年も張り切ってまいりましょう!

みなさん、今年もどうぞよろしくおねがいします!

【VERSUS】セルフライナーノーツ「カナリア」

2015/12/13

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06.カナリア

この曲は【VERSUS】収録曲の中で、最も衝動的な曲と言える。
このアルバムに収録する曲を選曲していく中で、
ひとつのテーマとして、「今までの臼井嗣人に無い色」を加えたいと考えていた。
所謂「アコースティックギターを持って歌うシンガーソングライターのCD」
という枠(あくまで自分の中でのイメージだが、、)から脱したかった。
そんな想いから、アコースティックギターをエレキギターに持ち替えて
スタジオで無心にギターを掻き鳴らしながら生まれたのがこの曲だ。
アルバムの中でも異質なこの曲が生まれ、それを収録したいと思えた大きな要因は
ギターを掻き鳴らしメロディーが降ってきたその時、頭の中には井手上誠のギター、
木田佳文のベース、真野たかしのドラムが確かに鳴っていたから。
そこに確信が持てたから。
結果的に、自分の中でも新たな自分を見つけられた作品になった。
歌詞の内容も、サウンドに負けないような強い言葉を並べたかった。
その結果、自分への戒めの部分も見え隠れするようなものになった。
この曲はアコースティックギター弾き語りでの再現がなかなか難しいので、
バンド編成の時のみ演奏している。
そういった意味でも特別な曲だ。
こういう曲を今後もっと作っていきたいとも思っている。

【カナリア】

カナリア 光になにを観る
夜明け前の彼方

寂しがり屋 臆病に羽根を震わせ
遠く広がっている空を眺めて
風を切り飛ぶイメージ

おいしい話にばかり心は揺れて
手軽に揃うものはどれも試した
床に転がった夢の地図

カナリア 光になにを観る
壊れかけた夢を抱いて
カナリア 光はどこにある
夜明け前の彼方

がんじがらめの羽根はいずれくたびれて
誰にも知られぬまま呼吸をすれば
心に息づく汚れなきBLUES

カナリア 独りよがりでいい
問われ続けた情熱
乾いた瞳でなにを観る
描いた夢の中

空を遠ざけた鳥籠は始めからいつだって開いていたのに

カナリア 自由に飛び回れ
壊れかけた夢を抱いて
カナリア 光はそこにある
抱きしめて離すな

銀河鉄道の夜 〜きみに逢いにゆくvol,4〜

2015/11/26

11月15日の岩手ワンマンライブ【銀河鉄道の夜 〜きみに逢いにゆくvol,4〜】へお越しくださった皆さん。
本当にどうもありがとう!

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今回も沢山の方が逢いに来てくれて嬉しかった。
第4回目ともなると、なにか今までにやってこなかったことをやりたいと思い、
途中、弾き語りコーナーを設け、そこで会場のみんなからのリクエストを募り歌ってみました。
数年ぶりに歌った歌をリクエストしてくれたりと、渋いリクエストに若干戸惑った(笑
自分でも久しぶりに歌って、新鮮な気持ちになった。ありがとう!
ちゃんと練習し直して、改めてまたお届けするね〜
それと、今回はいろいろとアクシデントが発生してテンヤワンヤな瞬間もありましたが、、、、
今回のライブを通してなんだかまた一つみんなとの距離が近くなったように思えた最高な時間でした。
来てくれたみんなも楽しんでくれていたら幸せです。

そして、今まではライブの次の日は岩手を朝出てそのまま東京へ。という流れだったのだけれども
今回は、メンバー全員が次の日オフだということで、帰りしなに温泉へ〜♪

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優香苑さん。
本当に素晴らしい温泉でした!
メンバー一同感激!
訳あってこんなにも引きの絵になってしまいますが、、、、
また改めて、今度は泊まりで行きたい!
そんな風に思える旅館でした。
スタッフの方に教えてもらった近くのご飯屋さんも本当に美味しく、
ハンバーグカレーを食した木田佳文氏は
今まで食べたカレーベスト3に入ると興奮しておりました。
確かに美味しかった!
今回もいろいろな出逢いに恵まれ、また更に岩手を好きになった!

次回の岩手は、少し時間が空きますが、
the five moriokaにて

2016年5月1日(日)にワンマンライブ大決定!!

楽しみに待っていてくれたら嬉しい!
今回よりもパワーアップしたSHOWをお届けしに行きます!
また逢おうね!

最後に、今回のワンマンライブのセットリストを。

【銀河鉄道の夜〜きみに逢いにゆく〜vol,4】

1.恋のダイス
2.versus
3.素晴らしい日々
4.Je t’aime
5.サボテンのせい
6.お元気ですか?
7.幸せのイメージ

———弾き語りセクション———
8.独立記念日(リクエスト)
9.キャンドルナイト(リクエスト)
10.春紫苑
11.ウソツキ
12.花吹雪

13.ひとりぼっちの唄
14.新曲
15.ワールドイズマイン
16.グッドラックイエスタデー

En.
17.blue moon night
18.愛文-aibumi-
19.circle of love

【VERSUS】セルフライナーノーツ「素晴らしい日々」

2015/09/21

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05.素晴らしい日々

だいぶ間が空いてしまったのだが、
セルフライナーノーツを再開しようと思う。
この「素晴らしい日々」という曲は、今回のアルバム【VERSUS】に収録されている
楽曲の中でも一番最後まで歌詞に悩んだ曲だ。
歌入れの2日前まで殆ど歌詞ができず、
メンバーとリハーサルで録音した歌なしの演奏音源を繰り返し聴きながら
どんな内容の歌詞にしようかと悶々としていた。
歌入れ2日前の深夜、他の収録曲の歌詞を眺めながら、その曲達にはない目線の歌詞を
この楽曲に落とし込みたいと思った。
そして、その当時自分が疑問に思っていること、もどかしいこと、ストレスを感じていること。
そんなことを綴りたいと思った。

そんな時、世界的に話題になっていたアイスバケツチャレンジというものがあった。
ALS患者支援を目的とした氷水を被るキャンペーンだ。
指名を受けた人は頭から氷水を被るか、100ドル(日本では1万円と言われていたと記憶している)をALS協会に寄付する、あるいはその両方を24時間以内に選択する。そして、次に実行してほしい人を2〜3人指名するというものだった。
芸能人や著名人が多数参加し、世界的なブームになっていた。

僕のところにも指名が来た。
そして、僕は特に深く考えるでもなく、友人に動画を撮影してもらいながら
氷水を被った。
その動画を公開し、次の誰かを指名すれば、僕も立派にアイスバケツチャレンジに参加し、
お会いしたことのない、どこかでALSという難病と闘っている人のお役に立てるのだ。
そう思っていた。

家に帰り、先ほど撮影した動画をアップするため見直してみた。

そこには、氷水を被り、友人と楽しそうに笑っている自分が写っていた。
それは、心の底から誰かを想い、その人のために身を削っている人間の姿ではなかった。
僕はその動画を消去した。
なんだかとても申し訳ない気持ちが溢れ、虚しくなった。
いつの間にか、軽い気持ちで参加した「人のためのおこない」は「ただのイベント」と化していた。

もちろん、このチャレンジを通して寄付をした方。
たくさんの人が氷水被る姿を見て
勇気付けられた人、助けられた人も沢山いると思う。
それはとても素晴らしいことだと思う。
それと同時に、現在、結果としてこのチャレンジは、
ひとつのブームとして過去に置き去りにされている感が否めないことは
やはり残念だ。
(僕が知らないだけで現在も誰かが指名され、アイスバケツチャレンジは
どこかでおこなわれているのかもしれないが)

【素晴らしい日々】の2番の歌詞には
そんなアイスバケツチャレンジで感じた想いを投影させた。
自分自身、明確な答えを見出せないもどかしさ、無力さが
結果としてこの曲のメッセージとなっている。

今で言うと安保法案問題で日本が揺れている。
その他にもメディアやインターネットからは
沢山の情報が溢れ、知りたいことは何でも知れる世の中だ。
しかし、その情報が本物か偽物かの区別はどんどん曖昧になり。
僕らが自分で選んでいるつもりになっているものは、
実は誰かの意図によって「選ばされている」のかもしれない。
なにを信じればいいのか分からない時代だからこそ、
常に心に「? クエスチョン」を持ち続けなければいけないと思っている。

 

 

【素晴らしい日々】

誰にも伝えられずにどこかで誰か生まれたみたいだ
誰にも伝えられずにどこかで誰か撃たれたみたいだ
ラメ色の月

政治家はお国のことより椅子取りゲームに忙しいみたいだ
僕らも結局のところそれを見守る優しい理解者
バラ色の未来さ

嗚呼 素晴らしい夜が明けるぜ 世界は遠回しに枯れていても
嗚呼 くだらねぇことがいつでも本当に観たいものを隠してゆくよ

噛み付いたまま媚びたのはどっちだ?
錆び付いたままの飛行船

回覧板でも回すみたいに愛を回す ゲーム感覚
次の誰かに回して忘れる愛はどこかチープなんだ
悪気なき嘘だらけさ

ちょっと気張った飯を撮ってSNSで「いいね」もらって
でもなんかいつもどっか虚しい
偽物だって精度上がって
本物だって厚化粧だ
LIE 愛

嗚呼 素晴らしい夜が明けるぜ 世界は遠回しに枯れていても
嗚呼 くだらねぇことがいつでも本当に観たいものを隠してゆくよ
嗚呼 素晴らしい夜が明けるぜ 世界は遠回しに枯れていても
嗚呼 くだらねぇことがいつでも本当に観たいものを壊してゆくよ

銀河鉄道の夜 〜きみに逢いにゆくvol,3〜

2015/06/18

 

先日6月7日の臼井嗣人ワンマンライブ岩手公演
【銀河鉄道の夜 〜きみに逢いにゆくvol,3〜】を振り返って。

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前回のVERSUSツアー以来だったから約3ヶ月振りの岩手。
なんだかあっという間だった感もあり、待ち焦がれて長かった感もあり。
今回も沢山の方が逢いに来てくれて本当に嬉しかった。
そして、今までにも増して今回は更に岩手のみんなと近くなれた気がした。
とても濃い時間を共有できて幸せだった。
本当にありがとう!
バンドメンバー井手上誠、木田佳文、真野たかしのお三方との音の絆もより強くなり
バンドとしての深みを増してきた感があり、より臼井嗣人の音楽を追求する上での
ワクワクが止まらない今日この頃です。
バンドメンバーのみんな、the five moriokaの皆さん、
そして逢いに来てくれた皆さんありがとうございました!

そして、次回の岩手ワンマンが早くも決定!
11月15日(日)にthe five moriokaにて!
ライブの際に約束した事、楽しみにしていてほしい。
また一緒に歌おう!

東京への戻り日に、TSUTAYA花巻店さんへご挨拶へ。

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VERSUSリリース直後から店頭にて大々的に展開してくださり
応援していただいているTSUTAYA花巻店さん。
前回諸事情によりご挨拶に行けなかったので
今回こそはと思っていたから行けて良かった。
店長伊藤さんありがとうございました!

最後に、ご要望があったので今回の【銀河鉄道の夜 〜きみに逢いにゆくvol,3〜】の
セットリストを載せておくね。
1. Je t’aime
2. 恋のダイス
3. 羣青〜Gunjo〜
4. 春紫苑
5. 花吹雪
6. 素晴らしい日々
7. 幸せのイメージ
8. mother
9. if
10. あした晴れ
11. ワールドイズマイン
12. カナリア
13. 渋谷零時五十二分
14. 愛文-aibumi-
En
15. blue moon night
16. VERSUS
17. circle of love

 

【VERSUS】セルフライナーノーツ 「愛文-aibumi-」

2015/04/20

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04.愛文-aibumi-

この曲が生まれてきた経緯。
それは、現在テレビ岩手制作「交通安全キャンペーンCM」にこの曲を起用して頂いていている(臼井本人も出演している)ことにも繋がるのだが、
YouTubeなどからもこのCMをご覧いただけるので耳にしてくれた方も多いかと思う。
同CMには2010年からずっと臼井嗣人の曲を起用して頂いていて、「グッドラックイエスタデー」「春紫苑」「花吹雪」などその他沢山の楽曲を
使用して頂いている。
ただ、「愛文-aibumi-」以前に使用して貰っていた楽曲は、既にリリースされている楽曲に対してCMへのオファーを頂いていた。
そんな中、今回のアルバム【VERSUS】の構想を練る中でリード曲をどんな曲にするかと思い悩んだとき、
ずっと臼井嗣人の曲を使用してくれている「交通安全キャンペーンCM」で、「こんな曲を使って欲しい!」と
の思いから「愛文-aibumi-」という楽曲は生まれた。
要するに、先にCM有りきで生まれてきたということだ。
更に言うとあのCMでこの曲が流れることを前提に勝手に想いを膨らませて書いた曲でもある。
なんとも図々しい話だ(笑
しかしそれも全て、それまでの同CMがどれもが素晴らしく、
僕自身がこのCMを制作しているディレクター中野氏の作品のファンだというところから始まっている。
結果としてCMに起用してくださり臼井自身も出演という機会を頂き本当に感謝している。

さて、この曲の内容について話そう。
この曲は、「春紫苑」「if」などにも通ずる、臼井嗣人の詩世界としては王道的なラブソングだ。
自分の中の王道(ある種の十八番)であるという事は同時に、言い訳のできない直球勝負的な要素も含んでいる。

「幸せになるために こうして僕ら出逢った」
出だしのこの一節がまず生まれ
この曲は形になっていった。

「どうして自分が生まれて来たのか?」
この問いを今まで何度も自分に問いかけてきた。
考えても、考えても、明確な答えは今のところ出ないまま。
そして、今まで出会ってきた人、物、風景など
その全てに一体どんな意味があるのか。
それもやはりわからない。
只、その全てにおいて多かれ少なかれ心は動き
その出会い一つ一つによって自分の運命は確実に左右されている。
この世に生を受け、真っ先に親に出逢い、
その後、沢山の人に出逢い、好きな人、嫌いな人、何とも思わない人、、、、
そのすべてに意味があるのだとしたら、
どんな出会いであれ、自分にとって素晴らしいものであり、
「幸せ」という漠然としながらも、確かに感覚としてある’それ’に向かうために
与えられたものであって欲しいと願う。

ある意味、自分にとって理想的であり、完璧であり続ける相手などこの世にはいないと思っている。
現状自分の求めるものすべてを兼ね備えている人にもしも出会えたとしても、
その瞬間、理想は理想で無くなり、そこに新たな理想を求める。
家族、友人、自分に対しても何か一つは嫌なところはあるし、
時に喧嘩だってする。
ただ、その自分にとって不都合な相手の一部を愛おしく思えるか思えないかが
自分にとって大切な相手なのかそうではない相手なのかの境目だとも思っている。
その一部を愛おしく思えた時に、それまでの「理想」や「完璧」という概念を超える何かが生まれるのだと思う。

この「愛文-aibumi-」という楽曲はそんな想いを綴ったラブソングです。
あなたの大切な人を想いながら聴いてもらえたら嬉しいです。

 

愛文-aibumi-

幸せになるために こうして僕ら出逢った
それはまるで闇の中に優しく灯が点るように
何回でも何百回でもすれ違う度に僕は
どうやってもきみのことを嫌いになれないと思い知る

抱きしめたいのに理由なんて無いのに
僕らはいつでも理由を見つけて争ってしまう

飾らない想いをぶつけ合って 譲れないできみを泣かせた日
今も覚えているよ 胸につかえているよ
あの日きみが見せた寂しそうな顔

抱きしめたいのはきみの身体だけじゃなくて
その奥にある形なき愛の温もり

くだらないことで笑いあった日 背を向け合って心を閉ざした日
きみは覚えているかい? そのすべてが今の僕らを紡ぐ大切な日々
重ねた想いを今歌にして 飾らないできみに伝えよう
きみを愛している 永遠に守ってゆく
誰よりも近い場所で愛し続ける

幸せになるために こうして僕ら出逢った
つまずきながら 手を取り合いながら
今日もこれからもずっと 歩いてゆこう

 

今日という日に

2015/03/11

3月11日

東日本大震災から4年。
あの瞬間、実家の庭に居た。
突然電柱がが大きく揺れ、電線は波打ち、近所から悲鳴が聞こえ、
自分の家が目の前で歪みながら揺れていた。
急いでテレビを点けると、そこには目を疑う光景が映し出されていた。
あの日からもう4年。
ご縁で岩手県へ歌いに行く機会を何度も頂く中で、
震災から8ヶ月後、沿岸地域に足を運ぶことができた。
テレビを通してそれなりに震災の被害を知ったつもりになっていた自分を恥じた。
そこに広がっていたのは、今まで自分が見てきたどの景色よりも衝撃的で、
そして、それを言い表すに適当な言葉の見つからないものだった。

震災から8ヶ月後の当時、
復興に携わる人の数がどんどん減ってきていて
ボランティアも震災直後に比べると少なくなり、
復興が思うように進まない現状があることを聞いた。
‘忘れられる’ということが恐いという声を聞いた。
何もできないもどかしさと、
何かしたいという想いで陸前高田を後にした。
その後も毎年岩手へ行かせていただく中で
ライブへお越し下さる方から沿岸地域の現状を教えていただくことも多く、
再び沿岸地域に足を運びたいと思っていた。
そして、昨年再び陸前高田へ行くことができた。

前回行った時には車が山積みになり、瓦礫が散乱していたあの場所が
見違えるほど綺麗になっていた。
中には当時のままの建物などもあったが、
お店が立ち並ぶエリアができていたりと、そこには確かに活気と希望があった。
たくさんの人で賑わい、着実に復興へ向けて前へ進んでいる光景に胸が熱くなった。
そして、もうひとつ行きたかった場所が僕にはあった。
最初に沿岸地域に行かせていただき、東京に戻ってから
「’忘れられる’ということが恐い」
という言葉がずっと頭から離れなかった。
僕自身が決して忘れないように。
そして、継続して何かをし続けたい。
そんな想いから微力ながら寄付をしようと思った。
いろいろと探す中で、震災により学校や塾を失ってしまった子供達に
勉強の場を提供するための寄付があることを知り、
現在も寄付を続けさせてもらっている。
毎月寄付をさせていただく中で、自分の寄付したお金がどのように使われているのかを
ちゃんと知ることも大切なのではないかと思うようになった。
「ただ形としてお金を払う」という行為は何か違うような気がして。
そんな想いから寄付先の方に連絡を取らせていただきお邪魔してきた。

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あいにくこの日は日曜日だったので子供達は居なかったが
温もりのあるとても素敵な校舎で、そこで子供達が勉強や友達との時間を過ごしている姿を想像し、
なんだか幸せな気持ちになった。
そして、壁にこんな素敵な詩が。
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この詩を前に、改めて同じ言葉を人に届ける者として、
気が引き締まりました。
すべてはこれからの僕らにかかっている。
震災により犠牲になられた方にご冥福をお祈りすると共に、
今この時もあの日に寄り添い歩み続けるすべての方に幸あれ。

【VERSUS】セルフライナーノーツ 「Je t'aime」

2015/03/10

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03.Je t’aime

9月で34歳になる。
今まで、良いことも悪いこともいろいろあった。
ときどき、ふと今までの人生を振り返っては想いにふけるときがあるのだが、
毎度のごとく思い出す、大きく感情を揺さぶられたできごとがある。

高校生のとき、同居していた祖父が亡くなった。
それまでは、身近な人が亡くなったことがなく、
「人の死」というものがテレビの中だけの出来事であり、
夏祭りから持ち帰って飼っていた金魚の死よりもどこか遠い、命の終わりだった。
それが祖父が亡くなった事実を前にして
初めて「死」を身近に感じ、同時に初めて「生(せい)」を想った。
この世には、人の想いとは裏腹にどうにもならないことがあるということ、
永遠に変わらないものなど無いということを突きつけられた。
小さな頃から爺ちゃん婆ちゃん子だった僕にとって、
それを受け入れることが出来ず、悲しいというより、
心が空っぽになった。
そして、祖父の後を追う様に1年後祖母が亡くなった。
晩年、ひとりで歩くこともままなら無くなった祖母の介護をしていた。
理不尽な話だが、当時遊びたい盛りの僕にとって
介護の為に友人との遊びを断り、始めたばかりのアルバイトにも思う様に入れないことが
とてもストレスだった。
そんな想いを祖母にぶつけてしまったこともあった。
申し訳なさそうに「ごめんね。」と言った祖母の顔は今でも忘れない。
祖母が亡くなったとき、後悔ばかりが押し寄せ、冷たくなった祖母にしがみつき
親戚の目もはばからず「ごめんなさい」と嗚咽しながら泣いた。
自分の部屋でギターを弾きながらTHE YELLOW MONKEYの「人生の終わり」という曲を
泣きながら何度も何度も歌った。
初めて音楽に救われた瞬間だった。

それからというもの、祖父と祖母の部屋へ入ることもほとんど無くなった。
そこに行くと、虚無感に包まれ、自分の在り方が分からなくなってしまうから。
そんな想いを抱えたまま歳月が経ち、あるとき気付いたことがある。
一緒に住んで毎日顔を合わせていたときより
亡くなった後の方がふたりのことを想っている時間が多いと。
日常で事ある毎に
「こんな時、爺ちゃんならなんて言うかな?」
「この選択は胸を張って婆ちゃんに報告できるだろうか?」
ふたりの存在は僕の生き方の指針になり、
僕の中でふたりは生前にも増して’生きている’

「Je t’aime」は、そんな自分の死生観を歌っている。
1年半前、15年時間を共にした実家の愛犬が亡くなった。
その時にその子の死を思い、祖父母が亡くなったときのことに想いを馳せ
生まれた曲だ。
死は決して悲しいだけでは無く、残された者に多くのものを残してくれる。
不謹慎な言い方かもしれないが、死を持って大切な何かを僕に残してくれた。
そう思っている。
いずれ僕も死ぬときは必ず来る。
そのとき、何を残せるだろうか。

 

 

【Je t’aime】

ジュテーム 変わらないものなんて
どこにも無いんだって きみが教えてくれた
ジュテーム ありふれた毎日は特別なんだって
きみが教えてくれたんだ

群れを離れて飛び立つ鳥のように
どこか遠くに自分の場所を見つけたのかい?

壊れていってしまう果ての鉛のようなSKY
それは美しく歪む世界

ジュテーム 変わらないものなんて
どこにも無いんだって きみが教えてくれた
ジュテーム ありふれた毎日は特別なんだって
きみが教えてくれたんだ

不甲斐ない涙の痕を辿るたび
伝えたい言葉が巡る

波がさらってしまう 砂の城をさらってしまう
海に帰るその時が来て
生まれ変わってゆくだけの
繰り返すサイクルじゃ 僕ら
離れない 離れない 離れない

ジュテーム 変わってくことだって必要なんだって
自分に言い聞かせるけど
ジュテーム 忘れらんないよ 忘れなんないよ
触れられないとしても
ジュテーム ありふれた毎日は特別なんだって
きみが教えてくれたんだ
ジュテーム 代わり映えない毎日が 頼りない毎日が
幸せの形だったんだ

夢から覚めて探したものは いつも
夢の中へと戻っていくための魔法

 

【VERSUS RELEASE TOUR】を終えて

2015/03/03

2月28日岩手公演ワンマンライブを持って【VERSUS RELEASE TOUR】は幕を下ろした。
デビュー以来全国各地でライブをさせてもらって来た。
キャンペーンで日本各地を周り、全都道府県を回らせてもらった。
しかし、’自分名義のツアー’は一度もしたことが無かった。
周りのバンドがツアーに出ているのをずっと羨ましく思っていた。
一昨年友人のバンドplaneと一緒に名古屋や関西、四国へのツアーを回った。
ある意味で夢が叶い嬉しかったのと同時に、次は自分名義でのツアーをしたい!との想いが強まった。
そして、今回【VERSUS】リリースに伴い、その夢を叶えようと思った。
東京、大阪、岩手
ここ数年最もライブで足を運んでいるこの3都市でのツアーを決めた。

どれくらいの人が来てくれるのか?自分の音楽を待ってくれている人はいるのか?
という想いに押し潰されそうになり、正直なところ、今年に入ってからは毎日吐きそうになるくらい
ナーバスになっていた。
自分で決めて自分で夢見たツアーにこんなにも苦しめられるなら
いっそすべて辞めてしまおうかと思った瞬間もあった。

しかし、初日東京公演のステージ上で、自分の下した決断を
自分の追い掛けた夢をやっと肯定できた。
逢いにきてくれたみんなに、そして同じステージ上で臼井嗣人の音楽を体現してくれているメンバーに
言葉では言い尽くせない感謝の気持ちで一杯だった。
精一杯の唄を’届けたい’との想いで臨んだライブで、
こんなにも幸せな気持ちを’貰う’ことになるとは思ってもみなかった。

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東京公演の2日後に臨んだ大阪公演では、自分の中で何かが弾けた感じがした。
このメンバーと「バンド」になれた気がした。

そして、最終日岩手公演、会場パンパンのみんなの顔を見た時、
泣きそうになった。
生まれ故郷以外で帰れる場所がある自分は本当に幸せものだ。
毎回岩手へ行く度に、本当に沢山の愛を貰う。
6月7日には再びワンマンライブで岩手へ帰る。
今回貰った愛を、増幅させて届けに行くよ。
また逢えるその日を、そしてまだ見ぬ出逢いを夢見て。

そして沢山のプレゼントや愛文をありがとう!

今回のツアーを通して沢山のことを学び
また更に音楽を、歌うことを好きになりました。
【VERSUS TOUR】へお越し頂いた皆さん、
会場の皆さん、大阪公演共演のオカダユータくん、磯貝マナトくん、
メンバーのみんな、
そして、会場へはお越し頂けなくても想いを送ってくれていたあなたへ、
ありがとうございました。