【VERSUS】セルフライナーノーツ「VERSUS」

2015/02/16

さて、久しぶりにブログを再開するにあたり何から書こうか迷ったが、
1月にリリースしたアルバム【VERSUS】について
ほとんど触れてきていなかったなぁと思い(過去の作品もこうして書く事はほとんど無かったが、、、)
収録曲のセルフライナーノーツを書いていこうと決めた。
毎回1曲ずつ。

曲に耳を傾けるながら読んでもらうのも良し、
聴き終えてから読んでもらうも良し、
そもそも読まないのも良し(笑
ようは自由に楽しんでもらえたら嬉しい。

まず、このアルバムは制作構想から完成まで、約1ヶ月半という
恐ろしく短期間で制作している。
原因は僕の突発的な衝動により始まり、、、多忙なメンバーの限られたスケジュールの中で
無理を言い完成に漕ぎ着けた事による。。。。
この場を借りて、快く力を貸してくれたレコーディングメンバー
井手上誠氏、木田佳文氏、真野たかし氏、鈴木謙之氏、藤原哲郎氏、間瀬哲史氏、
並びにジャケットデザイン志村駿氏、コピーライティング奥“ボウイ”昌史氏、
その他ご協力頂いた大和田貴将氏、藤原美加子氏に感謝を述べたい。

web_store画像【VERSUS】640×640pix

01.VERSUS

アルバムタイトルにもなっているこの曲は
実は収録曲の中で一番最後に生まれた。
いや、正確にはこの曲の生まれる切っ掛けとなった
アコギのリフ(イントロに入っているアコギ)は1年ほど前に浮かんだものだ。
このリフに歌詞を付ける事がなかなか出来ず、
曲として形にしたいとの想いだけがあるまま時間だけが経っていた。
そして、このアルバムの制作をスタートさせるにあたり、
選曲作業をした際、どうしてもこのリフに詞をつけ曲として完成させたいと思い収録を決めた。
とはいえ、1年近く悩み続きていた歌詞が簡単にできる訳もなく、、、、
メロディーのみが決まった状態でトラックを先にレコーディングした。
いよいよ曲タイトルも歌詞も決まらぬまま歌入れ日の前日。
追いつめられないと力を発揮できないタイプだからか、、、、
少しずつイメージが湧き始める。。。。
「孤独」という言葉が強く心に居座り、そこから何かが生まれる予感がしていた。

幼少期の話になるが、
我が家には父親が居なかった。
母は女手一つで僕と兄を育ててくれた。
今でさえ「シングルマザー」などとちょっとスタイリッシュな感じの言い方で、
シングルマザーが特に珍しくも無い時代だが、
当時は「片親」という無機質な呼び方が普通だった。
小学生の時、同学年150人近くの生徒が居る中で所謂「片親」は
僕を含め2人しか居なかった。
そんな時代だ。

友達の家に遊びにいった際、友達のお父さんやお母さんに
「お父さんは何の仕事をしているの?」と聞かれ
「お父さんはいない」と答えると決まって
「辛いこと聞いちゃってごめんね」と、
どこか同情の目をもって見られていたことを幼心に覚えている。
もちろん相手には何の悪気も無いのは分かってはいたが、
何不自由なく育ててもらい、父親のいない事が不幸だと感じたことの無い僕にとって、
「父親がいないこと」が辛かったのでは無く、
「父親がいないことをかわいそうだと思われていること」が辛かった。

まぁ、そもそも物心つく頃には父親は居なかったので
「父親の居る生活」を知らない。
それが当たり前であった。
元々居た人が居なくなると、そこに喪失感や悲しみが生まれるのだろうが、
そもそも居ない存在に対しては、
「良いも悪いもなにも感じない」というのが正直なところだった。
話すと長くなるので割愛するが、父親とは後に何度も会うことになり
数年前には家に数日泊まりに行き、一緒に酒を呑んだりと、良好な関係である。

幼少期の話へ戻るが、
中学へ上がるまで、僕はずっとカギっ子だった。
働く母の帰りは毎日19時過ぎ。
夕暮れ時、一緒に遊んでいる友達は母親が夕食を作って待つ家へそれぞれ帰っていく。
自分も家に帰れば良いのだが、家で兄と二人きりになると決まってくだらない理由で喧嘩になり、
力では敵わない僕はいつもブン殴られて泣かされていた(笑
それが嫌で家には帰らず、母の帰宅する19時頃までひたすら自転車で近所を徘徊していた。
母を待つその2時間程の時間が当時の僕には途方もなく長く、
寂しかったのを今でも思い出す。

今の僕はというと、ひとりでいる事に対して全くストレスを感じる事が無い。
むしろひとりの時間がとても大切だったりする。
それはきっと幼少期の孤独だった時期のおかげで免疫ができた為だと思っていた。
そう。自分は子供の頃「孤独」だった。そう思って生きてきた。

数年前、渋谷の雑踏の中を歩いていた時のこと。
その時の僕はいろいろなことでかなりナーバスになっていた。
ふと「キーン、、、」と心の中に何か冷たい金属音が響いたような感覚に襲われた。
それは初めて味わうとても言いようの無い気持ちだった。
その言いようの無い感覚に包まれ立ち止まる自分が、
視界の中で入れ替わる無数の行き交う人達と全く別の遠く離れた場所にいるような、
そんな感覚に包まれた。
きっと僕はその時初めて「孤独」というものを知った。

それまで「孤独」だと思っていた幼少期のひとりぼっちで過ごした時の気持ちは「孤独」ではなく「寂しさ」だ。
「孤独」とは、確かにそこに自分以外の人が居る中で「ひとりぼっちだ」と感じることだ。
その違いを肌で感じた瞬間だった。
「寂しさ」にはある種の希望があり、どこか自分で選択している感覚がある。
「孤独」にはそれが一切無い。
僕の中ではそんな感覚。
だから、強くなる為には「寂しさ」を受け入れなければいけない部分はどこかあると思っていて。
でも、「孤独」は受け入れた途端、自分の中の何かが死んでしまうんじゃないかという恐怖すらある。
僕の中ではそれくら似て非なるもの。

随分長くなってしまったが、その「孤独」をテーマに据えた「VERSUS」という曲を書くということは
自分の中の「孤独」と向き合う作業でもあった。
ただ、決して社会に対する愚痴やナーバスな想いを吐露したい訳ではなく
その中に必ずあるはずの希望を見いだすことが
僕が歌詞を書く上でのポリシーでもある。
そんな想いを少しでも感じてもらえたら本望です。

初回ので気合いが入り過ぎて長くなってしまったが、
次回からは恐らく2行くらいで終わると思います(笑

最後まで読んでくれたあなたに最大の感謝を。

 

 

【VERSUS】

安定を探して次第に自分失くした
理想は無化し不安定に溜め息吐いた
救いの声も無き静寂

呆れ果てて終いにゃ言葉も無いぜ
本当の自分押し殺し言葉に出して言えなくなってたりして

お世辞使って頑張って心に無くも笑う
ひとりになって叫んだ nobody knows

初めて逢った女が生年月日聞いて
相性占いでどうだとか言って笑ってるんだ
仲良し同士でやって

社会は弱肉強食 半透明な構造
実際は戦う相手が自分自身だなんて気付いて また滅入って

その気になって描いて
言い訳作ってやめる
自分自身で葬った夢にも
鏡の中の自分が他人の様に笑う
孤独になんて慣れるな これ以上

なにが観たくて なにが欲しくて なにを探してるんだい?
「報われないのが現実だ」なんて言われてもねぇ
生きること自体に意味は無いって とうに解ってるって
それでも今日もきっと夢見て明日を待つんだ

お世辞使って頑張って心に無くも笑う
ひとりになって叫んだ nobody knows
鏡の中の自分が他人の様に笑う
孤独になんて慣れるな これ以上
過去にすがって悩んだって 進む未来は変わんねぇ
燃やしたゴミの分別はもういいよ!
鏡の中の自分よ根拠は無くも笑え!
孤独になんて負けるな これ以上

 

9 / 9« 先頭...56789